2010年12月10日金曜日

Japanese Ninja

タイ版女性侍スパイ・アクション。作品の大部分がアクション・シーンとなっている。英題の「Vanquisher」とは「征服者」とか「勝利者」という意味だが、作品中ではCIAの特殊工作チームの名称となっている。
監督は日本でもDVDが発売されている「トカゲ女(Lizard woman)」<2004年>のマーノップ・ウドムデートということで、期待しないで見たが見事にその予想に応えてくれた作品(笑)。まずはポスターやDVDのジャケットにメインで載っている二人の女性(ソーピター・シーバーンチューンとケースリン・エークタワットクン)だが、確かに主役ではあるがそれほど目立っていない。この二人が主役なんだかよくわからないので、作品全体が締まっていないとも言える。

*当記事はタイ映画やタイに関する映画を思いのままに紹介するブログ「タイ映画つれづれなるままに」の許可を得て転載したものです。

さて、ストーリーなのだが、これが複雑でよく分からない。最初はCIAとイスラム系のテロリストの対決かと思ったのだが、そういうわけではない。登場する組織が多過ぎて何がどうなっているのだか、だれが敵でだれが味方なのか判別するのに苦労する。ちなみに登場する組織は、CIA、イスラム系のテロ組織、タイ警察?、日本の組織、主人公(ソーピター)、そしてCIAの中にも・・・。
アクションもいま一つの感じがしてしまう。殺陣は暗い所でやっているのでやや分かりにくいし、刀を背負った忍者部隊が出てくるのはいいのだが刀を使わずに銃で撃ち合っている。これでは忍者を出す意味がない。
そして、爆発する鉄橋を渡る列車からの脱出シーンには、ちょっとお粗末すぎて思わず笑ってしまった。また、会話の言語が、タイ語、英語、日本語、その他(何語だかわからない)と目まぐるしく変わるので見ている方としては疲れてしまう。別にこだわりがないのだったら、全てタイ語にすればもっと見やすくなる。
出番はそれほど多くないが、ケースリン・エークタワットクンに魅力を感じる。作品の売り方としてセクシーさもにおわせてはいるが、はっきりいってセクシーさはない。たしかに主役の二人はいいプロポーションをしているのだが、作品には生かされているとは言えない。ケースリンはテコンドーの選手だが、ソーピタは武術はまったくの素人だそうだ。それにしても邦題はすごいタイトルを付けたものだ。かなり安っぽく感じる。原題は「美しい侍」という意味。